上は新家地区の泉南市民歴史倶楽部の会員さんから「連絡・質問」を受けて、現地に赴いて撮った写真です。看板のある場所が分かりやすいように下に地図を示しました。
会員さんの質問は3点、①「歴史街道」とは何なのか?(歴史的な街道の説明表示なのだと思うが・・・)②随分古くなって、説明表示が欠落してしまっているが、何を書いていたのか?。③この「歴史街道」は何という街道だったのか?(熊野街道?、紀州街道?、それとも山側に行く粉河街道?)というものだった。
実は私もこの場所を通る度に気にはなっていたが、自動車で通り過ぎることが多くついそのままになってしまっていたのだった。
まずは「歴史街道」の取り組みについて「ネット」で調べてみた。歴史街道のHPの中で「歴史街道とは」を開けてみると、以下のとおりで少し長いがそのまま紹介する。
『「歴史を楽しむルート」として、日本の文化と歴史を体験し実感する旅筋をつくり、内外に発信していこうー
国際社会のなかで自国の文化や歴史を語れない、という問題意識のもと、1988年「歴史街道づくりの提言」が発表されました。この提言を受け経済界、行政、民間企業の賛同を得て、1991年、歴史街道推進協議会が発足。現在、官民および歴史街道計画を応援する「歴史街道倶楽部」会員の支援をいただき各種事業を進めています。「歴史街道計画」は、先人から受け継いだ豊かな歴史文化を次の世代につなげていく、まさにSDGsの取り組みです。」』となっている。
関西の経済界(関経連)と府県(行政)や学識で組織された協議会が推進主体であり、30年以上経ってはいるがHPは更新されており、「歴史街道」というタイトルのTV番組やPHP社から出ている同名の歴史雑誌もみかけたことがある。
ということで、①の「歴史街道」とは何なのか?、については上記のとおり、関西財界と行政が協力した推進協議会が進める「「広い意味」で先人から受け継いだ豊かな歴史文化を次の世代につなげていく取り組み」ということができそうである。
②については、調査に困難を極めた。道路わきのフェンスに頑丈に設置されており、単なるカンバンではなく「道路占用物」ではないかと思った私は、大阪府庁に電話で照会したがなかなか要を得なかったが、やはり府に「歴史街道」の担当窓口はあって、実際に当該場所にカンバンを設置したのは岸和田市にある府の出先機関である「大阪府民センター(岸和田土木事務所)」であることが判明した。
府民センター(岸和田土木事務所)に架電照会してからも回答に時間はかかったが、(古いことなのである程度時間がかかるのは致し方あるまい)後日、照会を受けた職員から電話回答があり、「看板に記されていた内容は、⒜山側に行けば新家の山田家住宅がある。⒝道を少し行けば「厩戸王子」がある。」ことを案内していたとのことである。質問③のこの道が何という街道なのかを尋ねても判らない様子だった。そして、「当該カンバンを設置する時点では地元市町村(泉南市)と協議、調整のうえ設置している。」とのことであった。
(ローソン駐車場から見た交差点付近、真ん中は府道㉚で左が病院で右がGS。)
(交差点付近から見た府道251田尻新家線。樫井の大正大橋方面から)
岸和田土木事務所の職員も古い時代のこの道(府道30、あるいは府道251)が何街道なのかは知らなかった。(紀州街道、熊野街道ではないのか?・・・という風だった。)
さて、古くはこの二つの道は何街道だったのであろうか。
上の地図は、陸軍が明治18年~22年頃に日本ではじめて測量技術に基づいて作成した地図である。もちろん当該図には南海電鉄や阪和線は無いし、国道㉖や旧国道㉖(府道204)もありません。あるのは、樫井川に沿って「紀州街道(熊野街道)」があるだけで、この道は後に国道29号線になりました。紀州街道以外は、樫井村から大正橋を渡り、すぐ兎田村に行く道。大正橋から下村に行き、下村から新家村(中村)へ、そして上村に行く道。上村から宮に行く道が記されています。また、新家村(中村)から兎田に行く道もあり、新家村(中村)から野口を経て高野へ、そして別所へ行き、別所からは上之郷の下村にもつながっています。要は集落間の里道ネットワークだけなのです。
上の看板が設置された、府道30号も府道251号も全く元となる里道すらもないところに昭和になってから作られた道の交差点なのです。
現在の「紀州街道(熊野街道)」と言われている道も、微妙に道筋が変わってしまっている箇所は数多くあります。しかし、「先人から受け継いだ豊かな歴史文化を次の世代につなげていく」ためにも、もう少し「歴史を大切にする」必要があるように思います。
新家地区は、泉南市の中でもとりわけ昭和~平成の流入人口が多く、古くからの住民よりも新住民の割合が多い地域です。当該カンバン地点が紀州街道(熊野街道)と勘違いする人がいないように願うばかりですし、推進協議会・府、市が知恵と力を合わせて、当該カンバンも「持続可能」なものにしてくれるよう祈るばかりです。(個人的には設置場所から見直す方がよいと思いますが、皆さんはいかがですか。)
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